大規模なイベントや大会のスポンサーとなって、多額の資金を投じるブランドや企業をよく目にしますよね。長年、世界を相手に戦うトップアスリートにしか注目が集まりませんでしたが、しかしここ数年で、その状況が変わりつつあるのです。

実は、カジノがパラリンピックのスポンサーになるという話もあります。これは良いことなのでしょうか?悪いことでしょうか?パラリンピックのスポンサーになれば、カジノのマーケティングコストは間違いなく増大しますが、その一方で、もちろんメリットもあります。

新しい市場への導入 

すでにカジノに来てくれるお客さんだけをターゲットにするなら、新たな広告を出す意味はないでしょう。しかし、パラリンピックに協賛しているカジノは、新しい市場を開拓できる可能性があります。つまり、新たなターゲット層の潜在意識にカジノブランドを植え付けることができるのです。例えば、パラリンピックのスポンサーになったカジノの店舗に、障害を持った方が訪れてくれるかもしれません。

宣伝効果 

パラリンピックのスポンサーになるもう一つの大きなメリットは、カジノの良い宣伝になることです。これまでパラリンピックをサポートしてきたカジノブランドは、それほど多くありません。そのため、これまでにパラリンピックのスポンサーとなったカジノ企業は、サポートを最も必要としているアスリートたちを支援する企業として、世の中の人々に広く認知してもらうことができたのです。

たとえ、スポンサー広告を見た人がカジノに足を運ばなくても、ギャンブル企業が受ける悪評の多さを考えれば、結果的には成功だといえるでしょう。カジノとは、金銭のコントロールを失ってしまう場所だと考えている人は多くいます。しかし、そこでパラリンピックのスポンサーとなれば、ファミリー向けの娯楽施設として認識してもらえる可能性があるのです。

オリンピックほど高額ではない 

夏季オリンピックのスポンサーになるために、何億円もの金額を費やす企業はたくさんあります。冬季オリンピックでも同じことが言えます。しかしながら、すべての企業が、オリンピックで良い条件を獲得できるだけのマーケティング予算を持っているわけではありません。次善の策としては、オリンピックではなく、パラリンピックで手を打つことです。

よくよく考えてみれば、パラリンピックは、オリンピックには劣るとはいえ、世界で3番目に大きなスポーツイベントです。全世界で41億人の視聴者がいることになります。この数字はパラリンピックの集客力の高さを物語っています。

スポンサーを求める選手

夏季オリンピックのアスリートとは違い、パラリンピックでは、自らのスポンサーとなってくれる企業を探しているアスリートが未だたくさんいます。というのも、他の競技ほど、プロ化されているわけではないからです。そして、カジノは、このようなアスリートのスポンサーとなることで、彼らのキャリアを支援できるだけでなく、最終的に、カジノブランドに対する良いイメージを獲得することができるのです。

広告の専門家から見ても、スポンサーシップを通じて良い印象を与えることは、従来から行われている効果的なマーケティング戦略だといえます。カジノがパラリンピックのスポンサーになることで、目標投資利益率を達成することができるのは間違いありません。パラリンピックは、人間の精神力の強さを体現するイベントであり、最高の自分になろうとする意志を表すものなのですから、その宣伝効果にも納得できるでしょう。